（第４話）

　さて腹ごしらえも済み、とりあえず青森市中心部の観光スポットと
しては、県立郷土館を目指すことにする。とは言え、街の中心部を歩
いていると、ついついＣＤ屋や本屋に引っかかって、駅前の食堂から
郷土館に着くまでに３０分以上かかってしまった（苦笑）。
　さてこの郷土館、入場料は３１０円と手頃だが、中身はかなり濃い
ものだった。青森と言う県は有史以後は余り話題にならないものの、
縄文時代の遺跡の数が半端ではないことが分かった。展示の量が多い
上に、寝台列車で眠れなかったので、見学しているうちに強い睡魔が
襲う。と言うことで、観覧中に座って休憩。帰りに郷土館の資料集
（８００円）を買う。素敵なオネエサンの館員が３人で応対してくれ
るので、思わず照れてしまう。外は雪が降り始めていた。
　さて、このあとどうしようか、とりあえず青森湾まで出て、これが
本州最北端だ、と言わんばかりの寒々とした空、荒れた（と言っても、
内海だから大したことはないが）海を使い捨てカメラに収める。傘が
手放せないので、片手でシャッターを押す。
　途中、赤十字の立派なビルに入り、献血してきた（４００ｍｌ）。
東北弁の看護婦さんとの会話に少しなごむ。
　古川1-18にある銭湯「姫の湯」を発見、これに入ってから宿に向か
おう。その前に、ケーキ屋「赤い林檎」はどこだろう？電話ボックス
のハローページで調べても見つからない、仕方ない、本屋を探して青
森観光案内で探さねば。で、とりあえず場所を確認。まぁここは明日
の朝でもいいだろう、と思い、朝は不可の銭湯に戻る。入浴料３５０
円＋タオル２００円＋石鹸２０円の合計５７０円。伝統的でもあり、
ちょっと近代的でもある銭湯だった。昨日行った上野の松の湯同様、
下駄箱が脱衣室への入口を開けてから現れる。これって東北地方の銭
湯のスタンダードなのだろうか？湯上がりに１５０kgまで測れる体重
計に乗り（この辺りに相撲部屋でもあるのだろうか？そう言えば、Ｔ
Ｖで若乃花が栃東に負けるシーンを見た、まさか次の日引退発表とは
思わなかった）、６５ｋｇ弱、朝飯抜いたにしては重い。ビン牛乳を
飲む。時刻表を調べ、時間に余裕がありそうだったので、「赤い林檎」
を目指すことにした。考えてみれば、持ち帰りでケーキを買ってきて
しまえば、そこで時間を浪費することはないのだ。シフォンケーキを
３＋１個買って、何とはなく、「よし、もう１本前の電車で宿へ向か
うことにしよう」と決め、青森駅までダッシュ。大通りの直線コース、
道に迷うことはない。実にギリギリだったが、無事18:11発八戸行に乗っ
た。それよりも、列車の入口がボタン手動だと知らなかった自分には、
目の前でドアを開けてくれた女子高生に感謝。この東北の街に暮す人々
の通勤通学ラッシュの電車に乗って浅虫温泉へ。無事旅館小川に到着。