（第３話）

　５時３０分、盛岡到着、６時４分、車内放送再開。朝を迎え、車窓
を眺める。どんよりとした曇り空、しかし雪は降っていない。とりあ
えずロングブーツでなくても良さそうだ。
　三沢で降りることにした。寺山修司記念館が気になっていた、と言
うのもあるが、終点青森まで進行方向左側しか窓のない列車に乗って
いるのは勿体無い、と思ったから。
　駅を降りて、次の電車の待ち時間までぶらぶらした。米軍三沢基地
を見てみたかったが、よく分からなかった。街の中心部に廃業した銭
湯の跡らしき建物があったのが寂しかった。それ以外に特長といえば、
ミス・ヴィードル・ドームと言う不思議な建造物（と言うか、巨大オ
ブジェ）。観光名物なのかどうかは知らないが、何とも得体の知れな
い建造物だった、巨大なジャングルジムみたい、と言えばいいのかな。
近くの団地にもミス・ヴィードル号（太平洋横断に最初に成功したと
言う飛行機のことらしい）の絵が書いてあったりした。それら以外に
は森林風景や田園風景があるわけでなし、まぁ観光地ではなさそうだ
から、仕方ないか。社交ダンスの衣装屋もちょっと目立っていた。
　快速電車で浅虫温泉へ（結局、バスの時間があわず、寺山修司記念
館は止めにした）。宿に直行、ではなく、水族館に行くため。風が冷
たかったが、十分に駅から歩ける距離。入場料１５８０円は高いな、
と思った。しかし、ラッコの食事風景、イルカショーなど、エンター
テインメントは大変レベルが高く、この値段にも納得。個人的にはゲ
テモノ深海魚を期待していたが、メインはやはり可愛いもの、奇麗な
もの中心。巨大水槽下のトンネルなぞは、大阪の水族館並に立派なも
の。まぁ個人的に一番気に入ったのは、ラッコに餌をやるオネエサン
の素朴なカワイらしさだったりしますが（苦笑）。それにしても、イ
ルカのパワーはすごかった！
　帰り道、むつ湾の写真を撮ったりしながら駅へ戻る。途中で積もっ
た雪に足を取られて参った。幸い、靴の中がびしょ濡れになるような
ことにはならなかったけど。浅虫温泉駅前郵便局で絵ハガキを買い、
その場でハガキをしたためる。
　更にＪＲを西に向かい、終点青森まで到着。なんか巨大な吊り橋が
見えるぞ。とりあえずブランチを駅前の食堂で。空腹だったせいもあ
るとは言え、さすが青森、刺身定食のうまいことったら！ほたて料理
を看板にしているだけあって、ホタテの刺身は本当に柔らかくて甘く
て美味しかった。