布団の中で悶々としながら、彼女は自分の運命が一体どうなって
いるのか、流行ファッション雑誌の占いのページを探した。占いを
全面的に信用するほどではないにしても、彼女のような理知的な女
性でも、ファッション誌を買えば自然と巻末の占いページに目を通
してしまうものだ。もちろん某女子大生向けファッション誌のよう
にカリスマ性を持った占いではないので、参考程度にしかしていな
かったのだが、今日ばかりは一字一句を目を皿のようにして読んだ。

「今週のあなたはモテモテ！素敵な男性に告白されるかも。ラッキー
カラーはブルー。ラッキーナンバーは７」

　何がモテモテよ、冗談じゃないわ、と彼女は不貞腐れながら再び
布団にもぐる。
　とりあえずシャワーを浴びて気分をリフレッシュしよう、さすが
にいつまでも布団の中でいじけているわけにもいかないと考えた朱
美は新しい下着とタオルを持ってシャワー室に入った。石鹸の香り
がする、掃除の行き届いたシャワー室、ずぼらな女子大生のそれと
は全く違うものだ。
　汚れのしみ一つない鏡の中の自分を見つめる。疲れている様子は
あるが、悪夢をよみがえらせるような大きな変化は見られなかった。
いや、変化があったのは鏡の中の自分ではなかった。いつも見慣れ
ている自分の顔のはずなのに、今日はまるで照れるように頬が紅く
染まっていくのを感じた（ただし、鏡の中の自分は肌が疲れている
せいではっきりと紅みを認識できるほどではなかった）。
「やだ、なに、この恋焦がれるような気持ちは？」
　朱美はパジャマを脱ぐ。ブルーのパジャマのボタンを外すたびに、
彼女の素肌が露わになる。頬の紅みが更に強まるのを感じる、そし
て、鏡の向こう側の自分もはっきりと頬を染めていることが見て取
れるほどになった。
　ブラジャーに手を掛ける。その時だ、下半身の血が熱く騒ぎ出す
ような感覚をかすかに覚えた。前ホックをはずし、胸の山脈が少し
ずつ露わになり、山脈の頂上の柔らかく暖かな乳首が見えた瞬間に、
朱美の下半身が爆発した。
「うっ、あ、あぁ〜ん！」
　彼女のパンティーの中で怒張が一気に膨れ上がる。その勢いは自
らパンティーの隙間を見つけて外へ飛び出した。朱美は背中に電気
が走るのを感じた。意識の中ではこの悪夢のような出来事に恐怖心
でいっぱいなのだが、それを上回る強烈な快感が朱美の行動を支配
する。彼女は天を突き刺すように凛々しく立ち上がっているイチモ
ツを無意識に握り締め、こすり始めた。
「あっ、あっ、あっ、あっ、あっあ〜ん！」
　朝の悪夢では過去に握ったことがある、と言う程度のことしか分
からなかったが、再びこのおぞましい出来事の中、自分はまだこれ
ほどまでに固くて立派なイチモツは握ったことがない、と確信した。
ただ、恐怖のために彼女はその下半身の力強い存在に視線を向ける
ことは出来なかった。そして、それよりも鏡の中に映ったほんのり
焼けていて、しかし紅直がはっきりと分かる白い肌、そして胸の盛
り上がり、その頂点の蕾のような乳首を見ているとどんどん下半身
に血流が集中して、快感が大きくなっていくので、生理的にそちら
に神経が集中してしまうのだった。絶頂を迎え、再び熱い爆発を天
井に届くほどまでほとばしらせた瞬間、朱美はその場にヘナヘナと
力を失って膝から崩れていった。