この１年で大きく変わった、日本全体も、そして自分自身も。その大きな変化 に耐えられなくなって、今は静かに休んでいる。そんな春に迎えたユッコの２６ 回忌。歯医者に行き、曙橋のラーメン屋で昼食。花屋に立ち寄ると、やはりこの 日のお客はみな四谷４丁目サンミュージック（現在はサラエンターテイメントに なっている）に向かう人だと言う。 サンミュージック前には大きな人だかりが出来ていた。事故のあった時刻まで あと数分。人だかりをかきわけ、献花して黙祷する。たくさんの花束と、彼女の 遺影。 自分自身が死ぬほどつらい目にあった、と言うことで、境遇は全く違うもの の、少し彼女の死を受け入れられたような気がする。これまではただ彼女の死を 悲観していただけだったと気付く。 もうとっくに彼女の人生の長さよりも彼女が亡くなってからの月日の方が長く なってしまった。子供連れでやってくる人もいる。ただ、見た感じ、自分と同じ ようにあの時から時計が止まってしまったような人生を送っている人も多そう。 帰りに１人きりの喫茶店でパフェを頂き、静かな余生に感謝する。