東京スカイツリー 3/11

　地震直後の両国から東京スカイツリーへ移動。街の風景は至って静かだが、小
中学生は下校の時間。小学生は防災頭巾を皆被っている。中学生も頭巾こそ被っ
ていないが、先生に先導されて集団下校している。
　スカイツリーのある墨田区業平。平日とはいえ、こんなに観光客が少ないのは
やはり皆さん避難されたのだろう。だいぶどんよりさた空の下、なんとか無事に
スカイツリーは立っている。こんな時に呑気に観光している自分はバカだと思い
知らせたのが、押上駅に着いて電車が全て止まっていることを知った時。今は駅
近くの喫茶店で時間を潰している。家から電話が来る。こちらの無事は伝えた
が、部屋が大変なことになっていると聞く。帰らぬも地獄、帰るも地獄と言うこ
とか。
　結局、帰ることにする。浅草通り→新蔵前通り→千葉街道と行けば帰れる。し
かし、ショートカットしようとして平井駅行きのバスに乗ったのが運のツキ、大
きく迂回コースを通った挙げ句、渋滞にはまって身動きが取れない。思わず神経
が高ぶって座り込んでしまう。しかしバスって乗り物は元気なサラリーマンはご
く一部、お年寄りが大半で誰も気にかけてくれない。意を決してバスを降りる。
走り出したが方向が分からない。幸い空は晴れていて、下弦の月が見える。自分
は東に帰りたいのだから、下弦の月を背にして走り出す。
　無事新蔵前通りに出た。そこで目にしたのはサラリーマンたちの切れ目ない行
列。本当に大変な地震であることを実感。もう21時半近い。急がないと日付が変
わってしまう。ショルダーバッグをたすき掛けにしてひたすら東へ。なんだかま
るで今朝てっぱんで見た滝沢さんのような気分。誰かに応援されているような錯
覚が、自宅まで15km以上ある道のりを走らせてくれたような気がする。
　なんとか日付が変わる前に自宅到着。電話で聞いた通りめちゃくちゃになって
いた部屋を片付け気、とにかく寝ることに。妹は帰れることが出来ずに会社に泊
まったらしい。