かなまら祭＠川崎・金山神社

　かなまら祭の存在を知ったのは４〜５年前、それからずっと気になっていたお
祭りだが、今年初めて見学することが出来た。時期も良いよね、４月の第１日曜、
つまり、「オカマの日」と隣接ないし重なる時期だ。前の日もゲイの支持が高い
クラブパーティ「クロスオーバー」で夜を明かし、４時間足らず寝てまだ眠い目
をこすりながら電車に飛び乗って川崎へ。
　いちおうかなまら祭りを知らない人のために説明しておくと、川崎市の金山神
社（川崎大師の近く）で行われるお祭り。子宝祈願がメインの神社だろうが、そ
の最大の特徴は男根と言う性的象徴を神輿で担ぐこと。そんな訳で、見に来る観
光客の層も独特。日本では最近ようやく名が知られるようになったが、そもそも
外国人が注目し、「歌麿フェスティバル」などと呼ばれて広がった（基本的に白
人さんが多いのだが、子宝と言う視点ではフィリピンとか東南アジア系の人も多
い）。更に、「エリザベス神輿会」なるオカマさんたちの神輿が毎年話題となっ
ており、２丁目系の人たちも全員集合。とにかく、全体的に“普通の”観光資源
ではないので、神輿はもちろん、観光客層も含めて面白い。
　京急川崎大師線に乗ると、すでに外人さんやらヤンママさんやらオーラを放っ
ている人たちで車両が占領される。川崎大師駅で降り、しばらくはごく普通の川
崎大師商店街が続くが（それでも異様に外人が多いことはすぐに分かる）、やが
てイチモツの像を担いだ神輿が見えてくるとスゴイ群衆に。もちろん担いでいる
ものがものだけに、男子禁制ではなく女子もかなりの人数が担いでる（本当だっ
たら全員女子が担いだ方がいいのだろうが、それはさすがに重いので無理だろう）。
それにしても、初めて見た巨大なピンク色したマラのインパクト！なんとか苦笑
くらいでとどめたが、心の中では大爆笑である。外国からは控えめな性格だと思
われている日本人だが、ここでは欧米人も真っ青なほど開けっぴろげなおおらか
さが漂っている。それが外国人からの人気の秘密だろう。エリザベス神輿会のか
け声は「でっかいマラ！」、普段恥ずかしくて口に出来ないようなセリフを連呼
します、もう脳みそがとろけそうです（爆爆爆）、担いでいる人たちも見た目の
インパクトがねえ。と言うか、オカマさんって基本的に年齢が分からない、あの
神輿の担ぎ方の元気さから言って、そこそこ若いのだろうが、ファンデーション
ののりが悪いのか、女子でも“もうミニスカートなんかはく歳じゃないでしょ”
と説教したくなるような歳を感じさせるお肌のつやのなさ。ただ、そう言う人た
ちが担ぐからこそ、このお祭は他にないユーモアが漂い、遠方から足を運んでく
る人が沢山いる人気奇祭になったのだろう。普通の神輿の担ぎ手も、下半身がパッ
チではなくフンドシ（早い話がＴバックだ！）が多く、そのセクシーさにカメラ
を向ける外国人も多数。
　更に、あのスティックキャンディはヤバ過ぎだ。あの場所、あの時間だから許
されるのであって、他の場所でまんまマラの形をしたキャンディを舐めてたらか
なり冷たい視線を浴びるのではないか、場合によっては警察に通報されかねない
（笑）。もちろん、小心者のオイラは舐めるどころか買う勇気もなし(-_-)。
　小一時間ほど町内を練り歩くのを見学し（おそらく神輿はその前から練り歩い
ていたであろうが）、金山神社へ戻る。神社の境内では太鼓が打ち鳴らされてい
て、クライマックスの盛り上がりを演出する。巫女さんからの演説で、この日ヨ
ハネ・パウロ２世ローマ法王が亡くなると言う悲しい事件があったので、黙祷を
捧げることに。
　この神社、神輿以外にも男根を形取った像があって、みんなその横に立ったり、
またいだりして記念写真を撮っている。天気のよい日曜、とても健全な空間なの
に巨大マラの像が隣にいる、最高にシュールだ。グループで来ている女の子の
話し声で、「これ、写真屋に現像出すの恥ずかしいね」なんて声も（笑）。何は
ともあれ、一生に一度見ておいて損はない、スバラシイ日本のお祭りである。