入院５日目

　だいぶ容態も安定してきたので、院内のことなど。
　担当の看護師が毎日代わるので覚えられない。それなりに大きい病院ではある
が、入院患者はせいぜい20人強と言ったところ。まあ入院患者だけでなく外来患
者も相手してるのでそれなりに忙しいようではあるが、逆に医師が３人くらいし
かいないのも不思議だ。外来にはたくさん医師がいるようだが。
　階段に絵画がかかっている。印象派のようなぼんやりとした油彩でどうと言う
作品でもないのだが、院内と言うのは静寂な場所であり、夜など薄暗い中でその
絵画と対峙するとそこに不思議と奥行きが感じられる。単に空間的な奥行き（草
原の中の池のようだ、その先にも広大な草原が広がる様子が想像される）だけで
なく時間的な奥行きも（やがて冬になり草木は枯れ池の表面は凍り付く。春が来
て再び緑が増え池には小魚やオタマジャクシが繁殖する）感じさせる。
　それにしてもこういう見ず知らずの人たちとの集団生活は自分の特異性を感じ
ずにはいられない。一方では毎朝必ず日経新聞に目を通し、書籍もビジネス系、
自己啓発系を手放さない人。他方ではスポーツ紙に目を通し、朝のテレビ番組も
スポーツ芸能を中心にチェックする人。僕はと言えばどっちつかずで、日経なん
か読まず思想系雑誌や書籍ばかり読んでるし、芸能もテレビゴシップとは違うマ
ニアック、ヲタ系の話でないとガッツかない（と言うかガッツくと言う言い方自
体浮いてる笑）。どちらかのレールの上を歩いて楽した人生を、と思っていた
が、結局そういうレールの上に乗れるキャラではなかったんだな、と。
　朝の診察の時間。鼻の奥にはガーゼの代わりにスポンジが入っているが、今日
は消毒だけで抜き取りはなかった。まだ頭から鼻に抜けるスキッとした感じは味
わえないのか、残念。外は雨で寒いし、午前中は一眠りすることに。
　で、昼食を取り、「ごきげんよう」の嗣永桃子のイラッとする活躍ぶりに元気
を得て（笑）午後から作業（読書）開始。だがガンバり過ぎたか、夕食後はダウ
ンｗ