入院２日目

　隣の人は無呼吸症候群なのだろうか、ものすごいいびきのあと静かになる、そ
してまたいびき。めちゃくちゃ苦しそうだな。こちらは睡眠薬で約９時間熟睡、
目覚めも自然と。手術当日は朝食はし。
　９時過ぎから点滴開始。看護師が針の当て方をしくじって焦る。手術は10:30
開始。医療ドラマなどで手術室を見る機会はあっても、本物の手術室は物心つい
てから初めて。まるで死刑台のような冷たさを感じる。とはいえ、手術台に乗っ
たら早速呼気式麻酔をして意識が落ちる。眠るのではなく薬による意識停止なの
で、目が覚めた時の時間の感覚が分からない、一瞬なような感じで実は２時半に
なっていた。
　やはり手術を受けた鼻が痛い。意識ははっきりしているが、鼻にガーゼが詰め
られてまぶたが重い、開けることはできるが充血で暗く見える。
　こういう苦痛の状態では気分がイライラする。身体は当然安静だが、気分は暴
れたい気分。手術前に現代思想のロボトミー手術についての論文（ロボトミー手
術とはかつて精神医学が未熟だった頃、凶暴性のある患者に対し意思を司る脳の
部位を切除する手術が行われていた、また思想犯罪者に対してもよく行われてい
た。現在は人間の意思を剥奪する重大な人権侵害と捉えられ、先進国では禁止さ
れている）を読んだばかりなので、ベッドに半ばくくり付けられていたこともあ
り（不用意に寝返りを打つと患部を痛め出血する恐れがあるため）、自由に動き
たくてしょうがなかった。
　その苦痛に耐えるのも大変な中、更に大問題が。海外ボランティアへの応募書
類に不備がある、と言う連絡が携帯に入っていた。応募締切は過ぎているので猶
予はない、早速自宅に電話して書類フォーマットのダウンロードと印刷をお願い
する。更に今日は全身麻酔を行ったため睡眠薬の投与はなし。おちおち休養する
こともできない入院生活。そんな中でも日記を更新する自分もどうかしてるが
（笑）。