福島銭湯旅行（１）

　はっきり言ってしまえば、これはいい大人の自分探し旅行である。と同時に、
かなり前だが「震災で世の中が大きく変わろうとしているのだから、大人も自分
探しすべきだ」とも言った。だから、不景気なら不景気なりに頑張る、と言うな
らそれもよし、そうではなく、競争、成長よりも協同的な自身の在り方を模索し
ているのだ。
　福島は新幹線に乗ると近い。最近の遠征では高崎や小田原があるが、在来線の
旅だった。距離はそれらより遠いが、新幹線に乗ってしまうと宇都宮が１時間か
からない。福島県は真ん中に大きな山脈（阿武隈高地）がある。そのため中通地
方を走る新幹線からだと福島原発のある浜通り地方は見えない。これから向かう
川俣町および隣接する中島さんの故郷飯舘村は阿武隈高地の中にある。その一
方、反対車窓の奥羽山脈は雪をかぶっていていかにも冬の東北と言うイメージ。
　郡山を通過。郡山にまだ劇場があったなら途中下車して見に行ってみたかった
が。
　福島到着。幸い晴れていたので東京と大差ない気温、多少残り雪が積もってい
る程度。先ずはバス停を確認、信夫山公園を目指す。なかなか遠く、更に着いて
みると山を昇るらしい。と言うことで麓まで行って引き返す。一通り街を眺める
と、商業エリアは駅前だけ、郵便局や学校など官公庁系の多い街。
　いよいよ川俣町行きのバス（と言っても普通の路線バスだが、ＪＲ直営であ
る）に乗る。川俣町への交通機関はこのＪＲと第三セクターの会社のみ。
　バスは阿武隈川沿いに東へ、思いの外深い渓谷になっていて、冬の枯れた緑の
少ない風景ながらも迫力ある風景。