お腹を満たした後、更に西へと向かう。地下鉄＋ＪＲ筑肥線（と言って
も、乗入運転しているので乗換はなし）で周船寺へ。椎名林檎嬢の出身高
校見学。とは言っても、着いてみれば、何の変哲もない、片田舎の高校。
エキセントリックな彼女のイメージとは裏腹に、黄色が眩しい菜の花畑や、
緑生い茂る小高い山々に囲まれ、工事中の高速道路があるほかは人工的な
物は殆どなく、静かで素朴で、本当にのんびりできる良い環境だと思った。
駅から片道１５分くらいだったろうか、その高校に着くと、校門と校舎の
てっぺんの校章と、散りかけた桜の花だけを撮影してすぐに駅へと戻った。
こんな静かで良い環境で、私のようなよそ者がウロウロするのはあまりい
いことではない。それにしても、遠くの山が黄砂にでも覆われたかのよう
に、黄色く曇っていたのはなぜなんだろう。
　再び筑肥線＋地下鉄で、室見へ戻る。駅を降りるとすぐに室見川が。ま
さに、「正しい街」の風景であるとともに、美紀さんの福銀ＣＭの撮影現
場でもあったようだ（詳細は残念ながら知らない）。すぐ目の前が博多湾、
少しばかり潮の香りがする川だ。良い天気で、広い青空が気持ちいい。予
定通り、室見郵便局で手紙を出す。更に、百道橋を渡って、百道浜方面へ
と歩く。百道浜一体は非常に良く整備された住宅街、と言った感じだ。東
京で喩えるなら、中央区佃のリバーシティや、品川区大井埠頭の八潮団地
みたいな感じ。そんな、ちょっと観光地としては失望させられる風景にも
めげず更に歩みを進め、海辺まで出ると、そこは素晴らしい内海の砂浜だっ
た。筑肥線今宿駅付近の砂浜の景色も美しく、通過をちょっと悔しく思っ
ていたのだが、これで大丈夫。:-) 海もキレイ、砂浜もキレイ、と言うこ
とで、イビサの海辺を思い出す。ここでレイヴやったら気持ち良さそうだ
なあ、と、カップルイチャイチャの海辺の風景を見ながら思った。隣の福
岡ドームやタワーホテル（あともちろん福岡タワーも）の飛び抜けた景色
も必ずしも違和感を与えるものではなく、いい意味で異空間を演出する役
割を果たしている。さて西新へ戻ろう、途中、西南学院（大学、高校）の
学生たちの下校風景にぶつかる。自分も若い格好をしているつもりだけど、
彼らの中ではオジサンなのかな、と思ったり。西新駅前のFRESHNESS BURGER
で一服。
　天神に戻り、ちょっとＨＭＶでＣＤの買い物をした後（ビブレ？）、コ
インロッカーから預けていた荷物を取り出し、今日の宿泊先のホテルへ。
最初方角を間違えてビビッた、まぁ初めての地だから仕方ないのだが。そ
れにしてもセントラルホテルフクオカ、天神から随分と歩くではないか、
かなり大きなホテルだと言うのに。
　ホテルには荷物を置いただけで、早速メルパルク福岡へ向かう。分かり
づらい道ではあるが、何とか徒歩で辿り着く（２０分くらい？）。周囲に
はトニセンファンの女の子でいっぱいなので、すぐにそれと分かる。その
場では男は自分以外はみんなダフ屋のようだ（苦笑）。開場まで約３０分
待ち、美紀さんの９８年の「本郷菊富士ホテル」に続く演劇舞台、「東京
サンダンス」は、３時間を超える素晴らしい公演、ジックリと酔いしれた※。
帰りにちょっと美紀さんを出待ちし、帰途に着く。
　帰途、と言っても、実はホテルを超えて、那珂川を渡って博多区まで歩
いて行ってしまう。福岡の銭湯に入るためだ。これまただいぶ歩いたが
（１５分くらい？）、九州独特の銭湯を堪能した※※。ホテルに戻った頃
には疲れがだいぶ溜まっていたようだ。浴衣に着替え、旅日記を書き始め
るが、筆は進まず、やむなく寝床へ。とりあえずブートできなかったＰＣ
のリセットには成功した、しかし翌朝ロビーのグレ電でつないでみると、
今度はダイアルアップコネクトが出来ない。もう勘弁してくれ、と諦めモー
ド。部屋に戻って旅日記の筆を走らせることにしよう。