（第６話）

　宿に別れを告げる。子犬と子猫までもがお出迎えだ。他にも宿泊客
はいたのだろうが、きっととっくにチェックアウトを済ませてしまっ
たのだろう、女将と女中さんと子犬と子猫で送ってくれた。昨日の雪
が残っているが、よく晴れた朝だった。
　快速ウミネコで青森に出て、そこから奥羽本線特急いなほに乗り換
える。乗換に約３５分の待ち時間があったので、駅を出てお土産の買
い物。店のご主人と話し込んで、ダッシュで駅に向かう羽目になった
り（笑）。列車に乗ったら、先ずはお土産の荷物整理。
　東北本線は割と海と山に挟まれたところを走っていたが、奥羽本線
は結構見晴らしのよい平野を走る。視界一杯に雪に覆われた田園風景。
その向こうに、頭を雲の中に隠した岩木山が見える。また吹雪いてき
た。東京だったら、こんなに雪が積もっていたらあっという間に運転
中止だが、こちらではそんな事はお構いなしに特急列車はほぼ定刻通
りに走る。川などの水辺で白鳥が飛ぶ姿などは、東北ならではだ。
　秋田で降りる。秋田はいまいち下調べで面白そうなポイントが見つ
からず、とりあえず千秋公園へ向かう。しかし、場所は秋田である。
公園のような屋外では寒くて楽しめるものではない。池には分厚い氷
が張っていた。おまけに雪も降ってきた。一旦落ち着いたかと思った
ら、今度は雹が降ってきた。肌の出ている場所にあたると痛いのであ
る。デパートに入って雨宿り。結局、秋田でやりたいことがなくなっ
てしまった。秋田って、ジャンガララーメンが名物だと思ったが、そ
れが食えるラーメン屋も見つからず、気分が腐ってしまった。仕方な
くわっぱめしと稲庭うどん（初耳）を食べさせてくれる店で昼食。まぁ
美味しかったけど。銭湯でも探せばよかったかな、と、ちと後悔。帰
りは秋田新幹線こまち。ウトウトしたり、音楽を聴いたりしながら４
時間半。長旅お疲れ様でした＞自分