一乃湯（大田区矢口3-9-24）

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　某SNSでアレな噂が出たので（明言はしません）、急遽矢口渡の一乃湯へ。勤
務地の西新宿からは遠い感じがあるが、副都心線が東急東横線乗り入れになり少
し楽になった。とは言うものの、自宅とほぼ反対方向へ自宅に帰るのと同じくら
い電車に乗って銭湯めぐり、決して楽ではない。会社を７時に出て、矢口渡に着
いたのが８時前。駅からまた10分くらい歩く。矢口渡と言うことは、昔川崎側へ
の渡しの船が出ていたのかな。と言うことで一乃湯よりちょっと先の多摩川岸ま
でぶらり。今はすぐそばを第一京浜の多摩川大橋が神奈川県とつながっているの
で、渡し船の跡は見当たらない。
　さて一乃湯、玄関はモダンに改装されていますが、よく見るとかなり立派な千
鳥破風の瓦屋根です。玄関上の電光看板には「カプセル風呂」とあるけど、どん
なお風呂？
　のれんをくぐると、なんのことはない、下駄箱横に廃業告知の活字の貼り紙。
９月末日で閉店とのこと。あら、大田区もスタンプラリー始めたのか。一部いた
だいてフロントの旦那さんに湯銭と一緒に出してスタンプをもらう。
　脱衣室、やや天井高め。茶色の木目模様のロッカーに荷物と衣服を詰める。
　浴室へ。湯道具はケロリン桶と水色台形座椅子。島カランは１列半（右側島カ
ランは左側片面のみ）、カラン数は左側女湯側から６・４・４・６・４。しかし
シャワーの湯の出が悪いな、汲み桶湯を浴びる。
　ペンキ絵は中島さんの男女にまたがる富士山。川が浴槽に流れ込む構図。その
下の浴槽は１槽（いちおう金属パイプで左右２槽に分かれてます）。左側は深湯
で座風呂２人分、右側は浅湯、ジャグジー並みの強烈床バブル。
　さてカプセル風呂とはなんぞや？右手にガラス部屋、その中にガリウム鉱泉風
呂がありました。檻の中のガリウム鉱石に混じってカエルの彫刻も。密閉された
部屋がスチームサウナの効能を持つタイプ。なるほど、それでカプセル風呂です
か。ガリウム鉱泉にはお馴染み石和田章三博士の能書きが。
　お客の数は常に２〜３人と言う感じ。時間がちょっと遅いので比較的若い層
も。
　湯上がりは待ち合いスペースで森永コーヒー牛乳110円を。どこから来たの、
と旦那さんに声がけしていただいて会話が続く。なるほどね、ちょうど今頃が設
備の寿命が来るところが多く、そこで続けるかやめるか決断するそう。今年の春
にやはり廃業した武蔵新田の森の湯さんとは仲が良かったのだそう。ズバリ、街
の銭湯の役割は終えた、これからは３軒に１軒残れば良い時代だとおっしゃって
ました。まあ現実的にはそうなんでしょうねえ。
　帰り道、野良猫の溜まり場で猫と戯れようと思ったけど、夜遅くは猫も警戒心
が強くてダメだ。海鮮弁当のお店があり、買って帰ろうかと思ったが、東東京と
物価が違うな、持ち帰りで900円1000円は出せないよ。と言うことで、夕食にあ
りつくこともなく蒲田行きの東急多摩川線で帰る。ちょうど踏切待ちになり、踏
切が上がったらダッシュ。