戸山文化浴場（新宿区百人町４−６−１）

　百人町の戸山文化浴場が2003年6月30日を持って廃業､という話を聞き、
早速行ってまいりました。東西線で通勤しているので、高田馬場から徒
歩１５分あまり、前を通ったことは過去２回あるのだが、「浴場入口」
としか書いてなくて、屋号が一切なし、と言うところが秘密基地っぽく
てカッコイイなー、と前から思ってました（笑）、ちなみに２階にある
「DELTA STUDIO」の看板が目印になります。
　階段を降りる（地下１階です）と正面に貼り紙、昭和２６年開業、53
年の歴史かあ、すごいなあ。右手に曲がり、手前が女湯、奥が男湯になっ
ています。マンション銭湯ですが、そこは５３年の歴史ある銭湯、番台
です。脱衣室はすごく横に長いです。島ロッカーに荷物と衣服を入れま
す、なんと地下にもかかわらず庭らしきものが！暗くてよく分かりませ
んでしたが、なぜか庭の真ん中にはコイン洗濯機が。
　さて浴室、おっと屋号入りの黄色桶ですね、字体も昔風でオシャレだ。
島カランは１列、シャワーなしのため女湯壁際カランへ。女湯壁側は６
機、島カランは５機、外壁側は４機、と言う配置。あ、手前にも４機く
らいカランがあったような、さすがビル銭、狭い面積を有効活用。:-)
　残念ながらペンキ絵はありません、歴史のありそうなマナーの能書き
プレートが２枚ほど貼られているのみ。浴槽は一般的な２槽式、左側深
湯は床バブルがはじけまくってて、時々湯を浴槽外に飛ばすほどの勢い。
深湯脇の釜部屋通路に水飲み台があるというのも歴史を感じます。右側
浅湯は背中バブルが２人分。あぁ、この窓から地下にもかかわらず西日
が入ってくるのね、夜だからわからなかったけど。湯温は４２〜４３度
と言ったところ、おっと、地味ながら備長炭もありました。
　湯上りは王道、ビン入りコーヒー牛乳（明治）。番台は先ほどの女将
さんから旦那さんに交替、お客と博打話で盛り上がってます。久々に下
町っぽい雰囲気の銭湯だな、ＢＧＭも演歌だし（ただオイラの入湯時間
がいつも遅いだけなのだが:-)）、銭湯がなくなってしまうのは寂しいけ
れど、旦那さんはこれからの人生を羽を伸ばして大いに謳歌するのでしょ
う。それはそれでよいことだ。出口でふと左手を見ると床に洗面器が３
台。どうやら雨漏りしている様子（上には何があるの？）。なるほど、
これでは取り壊しも致し方あるまい（涙）。それにしても、銭湯正面の
コンビニまでも斜陽な雰囲気を漂わせていたなあ（苦笑）。