南千住・又六湯（荒川区南千住６−５１−１９）

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　本日が最終営業日と聞いて南千住の又六湯（荒川区南千住6-51-19）へ。週末
までじゃないので、訪問は無理かな、と思っていたら、毎日22時過ぎまで残業し
ていた忙しさが奇跡的が19時過ぎに退社！こりゃもう行くしかない、空腹も忘れ
てJRに飛び乗って南千住へ。２週間前にも上野から常磐線に乗ったような記憶が
（その時の目的地は柏）。南千住駅周辺は23区内にしては恐ろしく何もない、常
磐線、日比谷線、つくばエクスプレスと３つも路線が入っているのに。南千住と
言えば、南側は山谷のあるあいりん地区、ハードルの高い地域の銭湯も興味が
あったのに、常盤湯（南千住2-28-7）に入らないまま廃業してしまった残念な
記憶がある。又六湯はあいりん地区じゃないけれど、屋号が珍しくてなんか労働
者の匂いがあって昔から気になっていた銭湯。駅の北口を西北に進むこと約10
分、住宅街の細道の途中に立派な二段の千鳥破風発見。煙突も鉛筆型（先が少し
細くなっている）、住宅街に静かにたたずむその銭湯は、数少なくなった地元の
常連さんたち（と私たちのような銭湯マニア(^_^;)）にだけ見守られて、静かに
歴史から退場する瞬間でした。梅雨時で雨も少し降っています。
　のれんをくぐると、玄関真正面に廃業告知の手書きの貼り紙。告知はここだ
け、脱衣室にはありませんでした。下駄箱には傘も差し込める穴があるタイプ。
男湯入口上の扇形の「男」の看板も凛々しい。
　中に入る、番台の女将さん、最終日とあって女湯客とおしゃべりに夢中、30秒
くらい待って湯銭を払い、再び30秒待ってスタンプを押してもらうｗ
　脱衣室には島ロッカーがあるが、左側壁際にシブイ茶色い横長ロッカーが、
こっちを使うしかないなｗ　天井はもちろん格天井、装飾品の少ないシンプルな
脱衣室は時間が止まった空間です。先客は浴室に二人だけでしたが、後から結構
お客が、やはり店仕舞いの情報を聞きつけてやって来たマニアだろうなあ（ご近
所さんの身軽な装いの人は半分くらい）。
　さて浴室、湯道具は無地の黄色桶に青緑色の丸座椅子。島カランは１列、シャ
ワーなし。カラン数は６・４・４・６。
　ペンキ絵は早川さん、「富士川　平成十五年六月二十二日　早川」のサイン、
７年も前の作品ですか、上の空の方は確かに剥げまくってますが、下の方はそれ
ほど年月を感じさせません。女湯にまたがる大きな富士山、と言うか茶富士。富
士山と言えば、右側女湯側カラン上のチップタイル絵も富士山、珍しいです。
　浴槽はオーソドックスに２槽式。左側浅湯は背中バブル二人分、右側深湯は竹
炭が金網に入っています。湯温は浅湯が43度くらい、深湯が42度くらい。深湯が
ぬるいのは先客が埋めた様子。
　湯上がりはオロナミンC、110円。最終日と言うことで、牛乳もコーヒー牛乳も
終わってました、オロCも最後の２本。ギリギリで、南千住のこの渋い味わいの
ある銭湯の最期を見届けることが出来て良かったです。
　帰り道、さっきより雨が強くなってる、と言いながら、南千住駅に戻った頃に
は上がりましたが。日比谷線に乗って帰宅。