４．
　下山道に入ると、山頂完走ランナーたちと合流する。いつもなら自分
なりの達成感を得て降りるので気にならないのだが、今回は頭痛でコン
ディション作りに失敗しての下山、ちょっと劣等感を覚える。まぁ良い
劣等感であれば、次はもっと練習してレースに臨もう、と言うことにな
るが、今回は「もうこんなレースに参加するのやめちゃおうかな」とい
う思いが頭をよぎった。何しろ下山道でもずっと頭痛に悩まされていた
のだから（落下の勢いがあるので、脳への刺激は大きい）。五合目から
の下山バス内では爆睡、ちょっとはそんな腐った気分も解消したが、今
度は突然の土砂降りに、下車した市役所で足止めを食らう。他の選手も
同じ運命なのだから気にすることではないのだが、それでもやっぱり
「ついてないなあ」と言う気分。雨脚が弱くなったところで近所のセブ
ンイレブンまでダッシュ、傘を買って旅館に戻る。確か２年前にも同じ
状況、同じセブンイレブンで傘を買ったような気が（苦笑）。
　宿に戻り、風呂に入って一服。今年も夏が終ったなあ、と言う皆の意
見（もちろん世間的には夏本番はこれからなのだが、このレースに参加
するような人たちは、レースが季節の区切り目なのだ）。帰りのバスの
中では梅津さんと語り合い、このレースがあるおかげで、夏場も山トレー
ニングで鍛錬を重ねて、春から夏にかけて引き締まった生活が送れてい
るのだ、と言うことを再確認、やっぱり来年もこのレースにチャレンジ
し続けることになりそうだ。ただし、今回のレースの教訓を生かし、練
習方法を考えないとね。