deep sorrow (Japanese)

時が経ち、深い衝撃から距離を置いて、
より深い悲しみが訪れる。
どうにもやっていられない悲しみ。
もはや原理主義者も軍事主義者も、
どちらも支持できるものではないと分かっているのに、
歪んだ人道主義を振りかざして報復を正当化する人たち。
戦争をエンターテインメントだと信じ込み、高みの見物を
決め込んでいる人たち。

本当の悲しみはこれからだ。
犠牲者を本当に悼むのなら、
これ以上の犠牲は出さないのが第一義。
仕返しを正当化する過激派と同じ思考の人たちは、
ヒーローを待ち望む人たち。

やっと分かったぜ、
ヒーロー物語は戦争を美化する人たちの詭弁だってことが。
やっと分かったぜ、
「正義」と言う言葉を振りかざす人間が一番危険だってことが。
守るべき人、愛する人がいる人間が、
他者の愛を理解できないから争いになる。

私たちは敗戦経験を生かせなかった、
広島長崎の人たちの言葉を理解できなかった、
平和を強く訴える私たちの先輩の言葉は、
経済主義にまみれた人たちの耳に届かなかった。

世界からの孤立を恐れ、自衛隊を派遣する日本。
誰も言わないのか、株価暴落なんかよりたった一人の戦場死の方こそ
避けねばならないことなのだと。
人の命をお金でしか計れない人たちには、
そんな事言っても無駄かもしれないけど。

アメリカとアフガンの当事国の一般市民が、
一番戦争を怖れている。
勝ち負けなんか関係ない、だってゲームじゃないんだから。
人が沢山死に、血や涙が流れる場所に喜びなどありえないのだから。
胸算用で戦争に荷担しようとしている私たちに、
「人道主義」を唱える資格などない。

私は一切の戦いを否定します。
もしどうしてもアメリカのためにアフガンに行くと言うのなら、
私を刺してから行って下さい。
戦場で死ぬことの恐怖よりも、
人を殺してしまった時の深い後悔を思って行って下さい。