人の成長なくして経済の成長なし

　前回の「成長について」で、不況の中では組織が人材成長のシステムが必ずし
もうまく機能しないのではないか、と言う話をした。しかし話としては鶏と卵の
関係で、成長のシステムがうまく機能していないために不況から抜け出せないと
も言える。
　TPPがこれだけ問題になっているのは情報提供の不十分さもあるが、そもそも
経済成長の戦略として小手先の外交提携では何も変わらないだろうと言うフラス
トレーションの現れとも考えられる。
　そもそも、経済成長戦略を考える上で、企業自体が人材育成に全く力を入れて
いないことこそ一番の問題ではないのか。正社員として人材流動性が確保されて
いるならともかく、非正規雇用で即戦力希望と言うのは明らかに企業が人材育成
を放棄しているし、大学生の青田買いも学生の学業の足を引っ張るものとしてき
ちんと断罪すべきだ。
　例えば幼児虐待の問題などは幼少期における教育崩壊の問題であり、単にダメ
親を叱咤するだけでは済まされない、それこそ国家の足腰が弱っている兆候とし
て厳粛に受け止める必要がある。
　とにかく、今の経済不況の問題の根本に教育問題があることを全国民で共有す
ることが一番最初の課題だと考える。