自分探しと言うのは一般的には若者の特権だと考えられている。若い時に色々 チャレンジしたり、遠くへ旅に出たり。逆に言えば、私みたいな年齢になれば自 分探しは卒業していてしかるべき、と言うことになる。 しかしこの2011年と言う歴史の転換点において、新しい価値観を探さなければ ならないのは若者だけの仕事ではなく、国全体の大きな課題だと思う。しかし残 念ながら、自分探しを卒業してしまった人たちがなかなか再入学できていないの がもどかしい。原発事故を目の前にして産業衰退のリスクを負う勇気もなく現状 維持しか考えられない人たち、生まれ育った故郷を家族と共に離れる勇気を出せ ずに被曝の危険性と隣り合わせで生活する福島や福島県外のホットスポット周辺 に住む人たち。 私が自分の再就職先を含め、全ての人に海外逃亡を勧めるのは、単に放射能汚 染を避けるためだけではない。国の将来を考える上での大胆なチャレンジが必 要、と言うことを暗に提案しているのである。