From gradated society to classified one

　COTTON CLUBのライブ体験で自らの階層の低さを実感した話を少し書いた。
コットンクラブ自体は以前からあるライブハウスレストランだが、今日本で起
こっている社会現象は、いわゆる“格差社会”から“階級社会”への移行ではな
いか、と肌で感じた瞬間でもある。
　格差社会とは単純に収入の多い人と少ない人の生活水準の差が広がっている社
会のことだが、階級社会はその生活水準の差が世代間に渡って永続する状態を言
う。もちろん、まだ江戸時代の士農工商のような階級に具体的な命名はされてい
ないが、世間で静かに進んでいることは後者の状態への移行である（教育格差な
どの現場で格差の世代間連鎖が発生している）。
　格差社会では自殺者数が増えたが、階級社会に移行すると他殺が増える危険性
がある。格差社会では自らを下層に位置付ける者はその責任を内面化していたが
（悪いのは自分の努力や能力が足りないせいだと考える）、階級社会になると責
任を外面化させる（悪いのは社会のせいだと考える）。つまり、治安悪化が始ま
る。
　治安悪化は経済の生産性を著しく悪化させるだろう。日常的に殺人事件が起き
るようになれば通勤通学に支障をきたすことになる。階級社会化は個々人の生活
水準の差以上に、社会全体の生産性が低下するのであるから、下層階級の人たち
だけでなく上層階級の人たちにも共有されるべき問題である。