日本では言論統制の主体は政府よりもむしろ国民自身である


<2011/08/09(Tue)>
 日本では実名制を取るFacebookはなかなか諸外国のように浸透していない。む
しろネット上で個人情報を晒すことについては他の国より神経質のように見え
る。更にPSN事件のようなことがあってはなおさら神経質になるのは当然だろ
う。
 その一方で、匿名制が当たり前と思う人々は発言を暴走させるネットリテラ
シーの低さとも表裏一体をなしている。
 別にスパムメールやコンビュータウィルスの問題は日本も海外も変わらない
し、PSN事件だって犯人は外国人なのだから、日本だけの脅威ではない。単に歴
史的に日本は2ちゃんねると言う匿名掲示板から爆発的にネット利用者が増えた
ので、実名制へのハードルが高く感じられるのだと考えている。
 で、本題の言論統制であるが、裏ではすでに政府による盗聴行為は為されてい
ると考えている。しかし逮捕者は本当に犯罪をほのめかす人物だけだし、先ほど
述べたように匿名性の強い投稿ばかりでは調査にコストがかかるのであまり心配
していない。
 むしろ今回の高岡発言問題のように、ある芸能人の発言に過剰反応する連中が
自らの主張に反する意見を攻撃しまくることの方がよほど言論統制になっている
のが事実。
 日本で実名制が流行らないのは、プライバシーの問題ではなく、すでにそうい
う形の言論統制がまかり通っている、と理解している。本当にプライバシーを問
題にするなら、グーグルのストリートビューこそ問題にすべきであろう。