罪悪感とは何か

　約２カ月間の会社休養中決して日常生活に困るような状況ではなかったにもか
かわらず、日本中を混乱に落とし入れた東日本大震災において自粛ムードにも義
援金ムードにも殆んど乗らなかった自分に、今頃になって「お前はヘラヘラして
いるが罪悪感はないのか？」と自問してみる。もし自分が病んでなかったら、よ
り深く被災者の皆さんに同情してせっせと義援金を送っていたりしただろうか。
　もともと「ヘラヘラしてる」人間であることは否定しない。しかしむしろ、こ
うしたことに罪悪感を持つことが正しいかどうか、これまであまり考えていな
かった。
　結論を言えば、今は「（罪悪感を感じることは）大して正しいとは思わない」
くらいの感じである。映画「８日目の蝉」で、子供誘拐の被告、野々宮希和子は
判決後に原告の夫婦に対し謝罪ではなく感謝の気持ちを述べた。誘拐は犯罪とは
いえ、犯人が子供を育てた愛は母親が子供に注ぐ愛情そのものだった。
　自分は自分なりに頑張って生きている。もともと反原発派だったので原発事故
については色々情報を集めたりしながらたくさんのメッセージをネットに投入し
た。
　いや、言い訳をするのはここでの本意ではない、そうではなく、罪悪感と言う
形で前進を止めることより、生かしてもらっていることへの感謝の気持ちで前を
向いて歩く方が良い、と言う判断をした。それが正しいと自分は信じてる、と言
うこと。