領海問題に対する韓国の強硬姿勢

　竹島問題を初めとした領海問題で、韓国側は強硬論で行くこ
とを大統領自ら発表した。北朝鮮拉致問題で今後日韓両国が協
力して行かなければならない、と言うこの時期の発表である。
この態度の硬化は単に韓国国内世論の対日圧力論の盛り上がり
だけではなく、相当深い意味があると考えるべきだろう。
　大統領は靖国問題にも言及している。つまり、あらためてこ
の問題は戦争責任問題なのだ、と言う主張である。私が推測す
るに、韓国側の警戒は日本の教育基本法改正案がいよいよ国会
で審議される段階まで来ていることに端を発しているのではな
いだろうか。国内の報道でさえ条文に「愛国心」と言う言葉を
盛り込むかどうかで盛り上がっているのであるから、韓国側に
してみれば今回の改正案に激高していることはほぼ間違いない。
　今更ながら、日本政府はどうしてこのように東アジアを刺激
することばかり繰り返すのか理解に苦しむ。そもそも教育基本
法の改正案は国内的に言っても「改悪」である。教育現場の考
えている問題の解決にはなんら関係のない「愛国心」と言う言
葉を盛り込むかどうかで政治家たちが喧々諤々の議論をしてい
る、教育現場の先生や生徒にしてみればしらけ切った内容とし
か言い様がない。
　もはや日本政府のやっていることは、「格差社会」の拡大、
などと言う生易しいものではない、民主主義を終わらせかねな
いような改悪、すなわち教育基本法改正と憲法改正を目指して
いる。今こそ言うべきことを言わなければ取り返しのつかない
将来が待っているのではないだろうか。韓国の強硬姿勢はまさ
に日本の針路の舵取りの誤りを指摘するものだと思う。