何度でも繰り返しておく（外交より内政を！）

　年末ということで今年１年を振り返るニュースなども多いが、政治に関して言
えば、上半期は普天間基地問題、下半期は尖閣諸島問題と言う、外交に深く関わ
るニュースが占めていたように感じる。で、こうした問題が上位にくる事自体が
今の政治の大きな問題だと考える。 
　基本的に外交問題が家庭や職場で盛り上がっているというのはどうにもピント
外れだ。常識的に考えて景気回復問題とか子育ての問題とかが中心になるはずで
あり、外交問題ばかりがテレビなどで取り上げられる傾向は明らかにプロパガン
ダである。北朝鮮のニュースキャスターの芝居がかった報道姿勢と五十歩百歩
だ、ということを考えた方が良い。 
　今本当に深刻なのは、少子化問題であり、就職氷河期問題である、というのが
ここ最近の私の認識だ。どちらも３０年後、５０年後の「縮んだ」日本を予測さ
せるのにあまりある問題である。共通するのは、今の日本は将来のことをちっと
も考えていないことがこの２つから透けて見えるということ。子供がいなくなれ
ば国力が落ちるのは自明だし、就職氷河期問題も、景気の問題である以上に、企
業が即戦力ばかり求めて、明日の日本を背負う若者を育てる意欲がない、という
点が大変に問題だ。 
　先ずは外交ニュースというのはかなりの部分が政府のパフォーマンスである、
と言うことを理解し、もう一度景気や子育てなどの身近な話題を国民が報道機関
に求める、と言う流れを作って行くことが必要だ。そうしないと問題解決への議
論すら始まらない。