日本企業が日本を滅ぼす？

　年頃の子供がいる訳でもないし、今の会社を放り出されて再就職の心配も
ちょっぴりあるが、今のところ基本的には他人事のはずである大学生就職率の止
めどない低下の問題は黙って見過ごすわけにはいかない。
　企業が若手を育てない、即戦力だけ雇用する、なんてことを続けていたら、20
年後には日本の労働市場は完全に空洞化する。一握りの“使える人（オーバーア
チーブする人）”だけで人口１億のでかい国を支えられるわけがない、“使えな
い人（アンダーアチーブする人）”を“使える人”に変える努力を怠ったら、日
本は現状維持どころかどんどん貧しくなるしかない。短期的には北朝鮮の脅威な
どの方が重要かもしれないが、長期的に見たら日本を滅ぼすのは将来への投資を
放棄している日本企業だと思う。政治の不甲斐なさもあるとはいえ、労働力空洞
化で困るのは日本企業自身だ。
　前の記事での主張も子供を大切にしろ、と言う将来を見据えて発言したが、
今の世論にはこうした未来を考慮すると言う時間感覚が著しく欠けていると考え
る。政治家を入れ替えるよりむしろこの時間感覚を失くしている国民感情の方こ
そ変えたいくらいだ。