中国が強気に出られる理由


<2010/09/28(Tue)>
 悲観論ばっかり書いているように見えるかもしれないが、先ずは純粋に国際事
情を考察したいので、ご容赦を。 
 確かに、中国は経済力もつけてきたし、希土類などの地下資源も豊富であり、
単に軍事力だけで日本より優位に立っているわけではない。しかし中国が強気に
出られるのはそこではなく、別の理由があると考える。 
 はたして、国連などの場において、日本と中国ではどちらの方が支持国が多い
であろうか。今のところは日本の方がまだ多いと思われるが、実際のところかな
り均衡するのではないかと思われる。
 なぜなら、中国はアフリカや南米などの発展途上国にかなりの支援をしてお
り(しかもアメリカのように傀儡政権を置くことなしに!)、国連議場での票数
をかなり握っているからだ。昨年の国際環境条約の会議COP15(だっけ?)で
も、中小国の票が大国の票に拮抗して話題となった。中国の国際事情での本当の
強さは、そうしたアフリカや南米などの中小国への周到な根回しによって支えら
れているのではないだろうか。いずれも民主化が進んでいるとは言いがたい国の
ため、国際世論とは別のところで合意をはかることが可能になっており、日本は
単に欧米の支持だけ得られたからと言ってぬか喜びはできない状態だ、と言うこ
とは知っておくべきだと思う。