純粋に政治問題としてとらえるべき

　ロマ人＝ジプシー以上に過激な対立はヨーロッパにはいくつもある。スペイン
のバスク人問題や、北アイルランド問題など。いずれも国家をもてなかった民族
が流れ者になったり、定住していても周囲と常に対立し続ける構図である。 
　移民になる、ということはつまり、本国が極端な独裁国家だったり極度の貧困
だったりで否応なく故郷を離れるということ。差別されたり迫害を受ければまた
別の土地へと渡り歩くしかない。 
　国家をもたない少数民族の問題は、このように堂々巡りにならざるを得ない以
上、誰かがコストを支払うしかない。差別撤廃とは別に道徳意識の向上などと言
う小学校の授業のような話ではなく、各国が移民をどの程度の規模まで受け入れ
るか、ということを取り決めるコスト負担の割決めの純粋な政治問題としてとら
えるべきだ。そもそも少数民族だから犯罪率が高い訳ではない、日本だって失業
率の高止まりが続けば、移民の数とは関係なく犯罪国家に転落もあり得る訳で、
どうやって彼らを保護するコストを捻出するか、という点で他人事ではない。 

■ロマ人対策で仏に警察官派遣…ルーマニア 
(読売新聞 - 08月20日 20:27) 
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1315656&media_id=20