今年の靖国まとめ

　ミクシィの方で３通も日記書いちゃった以上、書きっぱなしはよくないよな、
ということで個人的なまとめ。

　一口で言えば、この問題は素朴な英霊への追悼の気持ちと、宗教問題と、政治
問題とが一緒くたになっているから、６５年経った今だに平行線な議論が繰り返
されているのだなあ、と思う。もちろん政治的にはＡ級戦犯を祀っている靖国に
閣僚が参拝するのは問題だと考えるが、多分右翼の人たちは、そのことをもっ
て、一般国民の参拝まで批判されているように聞こえるから、反発する人が多い
のだと思う。左翼寄りの私が毎年参拝するのは、英霊を悼むと言う素朴な情をま
ず大事にした上で、政治的な議論を進めなければいけない、と考えるから。個人
で参拝する以上、気持ちの中でA級戦犯を排除して追悼の意を捧げる、と言うア
プローチが最も自然だと考えている。
　というか、本当に問題なのは、政治問題なのだろうか。例えば、外国人参政権
のような英霊追悼とは関係のない話題で九段の鳥居の前で大声をあげ、静かに英
霊を悼む人たちに耳障りとなっていることの方が、政治問題より根が深いような
気がする。死者の前で生者の揉め事で騒ぐことが、追悼とどういう関係があると
いうのか。まさに、追悼の気持ちと政治問題を一緒くたにしてしまっている現場
としか言いようがない。何よりも、追悼の気持ちとは目上の人間への敬意に通じ
るはずだが、昨今の高齢者行方不明の問題などを見ていると、そうした敬意が薄
れているような気がする。政治問題より、まず私たちが本当に英霊たちを悼む気
があるのかどうか、そのことを振り返ることの方が先のような気がしている。そ
もそも靖国とは、英霊たちを十把一絡げにした神社だ。Ａ旧戦犯はもちろんのこ
と、日本神道以外の宗派の人たちも祀られている。純粋に国家が彼らを祀るなら
ともかく、世俗国家である日本では神社とは国家から一歩距離を置いた存在であ
る。
　あと、なんで右翼の人たちは閣僚や首相に参拝してもらいたがるのか。英霊た
ちが勇んで戦場で命を散らしたのは誰のためかと言えば、天皇である。英霊たち
は閣僚や首相に祀ってもらっても意味がない、天皇に祀ってもらうことこそ本意
のはずだ。だとすれば、ベストの策はＡ旧戦犯の名前を靖国から取り除くこと
（天皇が参拝しないのはそのためだ、と明言していたはず）だが、それがだめな
ら別の宗教色のない追悼施設を、というのは非政治的に正しいことではないのだ
ろうか。