みたままつり

　久々に斑鳩のラーメンを食べた。相変わらず強烈な魚出汁だが、かつてのよう
な感動体験は全くなかった（当時は全国で３本の指に入る名店）。今は普通の
ラーメン屋になったんだなあ。
　と言う訳で、今日から始まった靖国神社のみたままつりへ。東京都心でこうい
う夏祭りも珍しいが、それ以外にも興味深い物事がここにはたくさんある。
　先ず予想を裏切られるのが、圧倒的に若者が多いと言うこと。さすがに盆踊り
の輪の中で踊っているのはおじいちゃんおばあちゃんだが、屋台の並んだ境内を
占領しているのは10代20代。そして、若者と言っても、渋谷や原宿にいるのとは
全く違う。東京のど真ん中でヤンキーをこれだけたくさん見られる空間は少ない
だろう。
　仮説はいくつも立てられるだろう。若者と十杷一からげにしてしまいがちだ
が、そこには厳然とした階級差があるのかも、とも考えられるし、そもそも渋谷
原宿だって実は若者にとっても異空間で、彼らの日常はこっちの方が近いとも。
またあるいは、平成不況の中で、若者が素朴な祭りに対するレトロ的憧れを感じ
ているのかもしれないし、単純にお金がない遊び方の１つでしかないのかもしれ
ない。サラリーマンは屋台テーブルでビールと焼き鳥をつまみ、ごく少数の老夫
婦が英霊への想いを胸にささやかなデートを楽しんだりしているが、それでも多
数派は若者。
　ところが、友達とつるんで遊びには来たが、酔った勢いで不躾な行動を取る者
はいない。日本有数の神社では、橋から川へ飛び込むようなハメをはずす輩を出
さない威厳も両立している。
　屋台は辛うじてクレープを食べたが、もう１つの見物はお化け屋敷。今や移動
するお化け屋敷は日本で２軒しかないらしい。ゲゲゲの時代ですでに「怖いけど
懐かしい」存在だったお化け屋敷。もちろんゲゲゲの鬼太郎は欠かせないキャラ
クターだ。入口に列が出来るほどの大人気。８月１５日の靖国も重要だが、日本
の原風景が突如現れるみたままつりもなかなか重要だ。この日に集まる外国人は
少ないが、この日の靖国も見ておいた方がいい。