理髪店洗髪問題

　先日、ミクシィニュースに理容店の洗髪義務化、と言う問題が出ていて、多く
の人が、昔からの洗髪をやる理容店が既得権を守るために、新興のカットオン
リーの理髪店を潰しにかかってる、と言う批判記事を書いていた。しかし僕は髪
を切ったあとに洗髪しなくても平気な感覚の人が沢山いることの方こそビック
リ、と言う記事を書いた。
　つまり、僕にとっては、髪を切ったあとに洗髪するしない、と言うのは“個人
の価値観”と言う前提で議論をして良いのか、と考えた。公衆衛生の感覚が人に
よって違う、と言うのは文明国であってよいのだろうか。子供の頃、親や先生か
ら、家に帰ったらうがいと手洗いを必ずしなさい、と言われた。公衆衛生とはそ
う言う生活習慣の基礎である。安い方がいいからカットオンリーの店を潰すな、
と言う議論より、洗髪代分値上げすることで商売が行かなくなるようなら自治体
が補助、と言う議論の方が自然ではないか、と思う。
　そもそもが、こういうカットオンリーの安い理容店の出現と言うのは、最近の
デフレ経済を象徴する現象だと思う。一般消費者の感覚として安い方がいい、と
言うのは至極当然の感覚ではあるけれど（しかし記事を読む限り、彼らがカット
オンリーの店がないと生活上困る、と言うほど切羽詰まった感じがしない。そう
ではなく、既得権を守ろうとする連中を叩くのが楽しくて書いてる、と言うのが
行間から溢れ出ている）、デフレスパイラルは問題だ、と言う発想にならないほ
ど彼らも馬鹿ではないはずなのだが。こういう議論を見ていると、世論そのもの
がどこかで操られているようで気持ちが悪い。