中印関係はどうなるか

　クリントン米国務長官のインド訪問で軍事関係の強化、原子力の平和利用にお
ける技術協力などが提携されたと言う。先日のパリ祭ではインド軍がシャンゼリ
ゼを行進し、サルコジ・フランスとの友好関係を印象づけた。このところインド
は欧米各国から優遇されている。
　となると気になるのは隣国中国の欧米からの扱いである。現在中国はウイグル
人圧政問題で先進国からの評判は著しく下がっている。しかしアメリカが中国を
冷遇することは考えにくい。なぜなら、米国債の最大の購入者が中国だから。中
国がアメリカ債券を買わなくなると、アメリカは破産する。
　インドの先進国からのウケが良い、からと言って、かの国も中国に負けず劣ら
ず周辺民族への弾圧の激しい国である（アメリカにキング牧師がいるように、弾
圧の激しい国だからこそガンジーのような優れた人権の擁護者が現れる）。軍事
介入は論外としても、民族問題の解決を宙ぶらりんにしたまま、彼らに支援をす
るのはいかがなものか。と言うか、インドにも中国にも相応に軍事的協力をし、
アジアの近隣国間で緊張感を高めるような欧米の行動を、もう少し批判してもよ
いのではないだろうか。中進国だが今後伸びが期待される国への軍事支援は、友
好と言うよりは商売だと思う。