ネット右翼は女性の方が多いのではないか？と言う仮説

　女性蔑視的発言に思われるかもしれないが、人類学でのレヴィ＝ストロースの
ような議論だと思って、ご理解いただきたい。

　一般論として、ネット上で見かける議論は圧倒的に男性の方が多いだろう、と
思う。しかし、ネット右翼がここまで市民権を得ている現在、女性のネット右翼
も多いだろうと推測する。更にここでは、むしろ女性の方が多いのではないか、
と言う仮説を立ててみる。
　この着想を得たのは、女性週刊誌の車内吊り広告。そう、女性週刊誌で最も人
気のある話題は皇室関係の記事だ。つまり、彼女たちは皇室を自分の家族の延長
のような親近感をもって捉えている、私のように「私たち国民が投票して選んだ
訳でもない人たちが国のシンボル的存在なのは納得いかない」と言う思考とは正
反対の思考。
　もちろん男性のネット右翼も多いが、彼らには皇室はもう少しクールな捉え方
をしているはずだと思われる。つまり、ネット右翼的ナショナリズムの根源に
は、（仮想）拡大家族主義なのではないか、と言うこと。発言の表面は過激で
あっても、実際には基本的に保守的なのは当然だと言える。
　ただ、拡大家族主義が現代の核家族化への反発、と言う時代性はあまり感じな
い。どちらかと言えば、皇室等の象徴への依存の裏側は、異分子排除、すなわち
「いじめの論理」が見え隠れする（これまた男性でもいじめの論理で生きている
輩は多い訳だが）。何と言うか、嫁姑問題と言う家族の普遍的な問題の延長に、
実はネット右翼的な言動と言うものが発生するのではないか。そのあたりもま
た、ネット右翼に女性が多いはず、と言う仮説を強化する理由になる。
　実のところ、ネットで過激な発言＝ビッグマウスな発言を行なうネット右翼
は、その表面的な過激さとは反対に、国家や政府など“強い者”におもねってい
る、と言う意味で、本当のビッグマウスではないな、と言う議論をしようと思っ
ていた。そうした仮説を固める上で拡大家族主義と言う着想を得た。