普天間基地を思う

　議論としてはややこじつけ気味の暴論かもしれない、しかし感情的に言ってやっ
ぱりこれはおかしい、と言う思いがあるので、書くことにする。
　北朝鮮のロケット問題については、日本中が大騒ぎした、まさに「祭り」状態
だった。確かに東北のお住まいの方には怖い想いをされたことと思う。
　が、その一方で、沖縄の米軍基地の問題で、住民は常に怖い想いをしていると
言うのに、そちらは国民の世論は完全に無視なのか、と思うと、なんだかむらむ
らと怒りが込み上げてきた。北朝鮮ロケットは確かに国際的に非難される問題で
ある、しかし現実に住民に問題が起きているのはどちらなのか。沖縄の住民には
実際に日常的に騒音と言う爆弾が落とされている。騒音だけではない、時々ヘリ
コプターが落ちてみたり、あるいは基地兵士たちによって婦女暴行事件が起きた
りと、様々な被害がすでに実績として存在する。そちらはまるで当り前の空気の
ように扱い、北朝鮮が発射するとそこに国民の憎悪がにじみだすように大騒ぎす
る。実に不愉快な騒ぎ方だった。
　むしろ米軍基地問題は、日米安保条約によって正当化され、声を封じられてい
るから余計に不愉快になるのだ。北朝鮮がロケットを打つことが「いけない」こ
となら、米軍が騒音をまき散らしながら沖縄の空を飛ぶことも同様に「いけな
い」ことなのではないだろうか。
　そもそも「国を守る」ってどういうことなんだ？国民を守る、と言う主題であ
れば、明らかにあれば沖縄住民と言う国民を守っていない。大いに矛盾を感じ
る。
　まぁ逆に言えば、今まで沖縄基地問題について鈍感な想像力を発揮できなかっ
た私に、今回の北朝鮮からの飛翔物は沖縄の現実に対する想像力をかき立ててく
れたことに感謝してもよいかもしれない。
　結論、私は民主主義を強く支持している。しかし、今回のような「ナショナリ
ズム」のプロパガンダに操られた世論については、全面的に許容することができ
ない。私はやはり、筋金入りのアンチナショナリストにならざるを得ない。