時事問題全般(北朝鮮ミサイル問題を中心に)


<2009.04.05(Sun)>
 今日本は北朝鮮のミサイル発射問題で持ちきりである。何事に対してもそうだ
が(例えばWBCの盛り上がりなんて白けてたなあ、でも無関心とも違うんだよ
な)、私はそんな状況を冷めた目で見ている。両者に共通するのは、ナショナリ
ズム高揚のプロパガンダに対してはやはり一歩引いて見なければ、と言う思い。
 もちろん彼ら(=自分以外の日本人)のシナリオ通り、北朝鮮がミサイルを発
射して、それが日本の領土、領海に落ちたら問題である。しかし私には先ずその
シナリオがどこまで可能性があるのか分からない(核実験だってまともな結果を
出せなかった国だ、そもそも打ち上げがうまく行くこと自体に半信半疑)し、そ
れ以上に、他の核保有国は世界に向かって「やります」なんて宣言して実験はし
ないものだ。北朝鮮の態度はかなり「挑発」を含んでいて、あまり相手にしない
方がいい、と思ってしまう。要するに、北朝鮮のやっていることはネットの「あ
らし」と全く同じで、相手にする方がむしろ相手の思うツボで、スルーした方が
いいのに、と思っている。
 とりあえず私は「犠牲者を出さないために」議論してみる。そう考えると、ミ
サイル発射そのものより、迎撃を宣戦布告と受け取って、北が都内でテロを起こ
したりする方がよほど犠牲者は多くなるだろう。いやそれ以前に、金正日の犠牲
者は我々よりもむしろ飢えで苦しむ北朝鮮国民であるし、ガザで沢山の犠牲者が
出た時に声を上げることもしなかった中で、どの命を優先するか?と言う問いが
先に突き付けられる。
 要するに、物事を判断する基準軸は沢山ある。その中で、テレビやネットの
ニュースは分かりやすい基準だけを元に記事を書いていて、国民はその基準軸だ
けで考えているように見える。別の基準で考える時にはまるで別の答えが出るだ
ろうし、いや答えがそもそも簡単には出せないと思う。少なくとも、国の沽券み
たいなものが先に来て、人命の話や人権の話が無視されたり、あるいは利用され
たりするのは問題外だ、と言わなければならない。