ライバルの韓国、敵の北朝鮮

　最近スポーツ界では、韓国が笑っちゃうほどライバルとして日本の目の前にい
る。ＷＢＣで日韓戦が５回も行なわれたのを始めとして、フィギュアスケートも
世界戦なのに（カナダの２位なんて完全にスルー笑）キムヨナ選手と浅田真央選
手の対決しか視野に入ってない報道ばかり。
　まぁスポーツの世界であるからして、この関係は決して悪いことではなく、お
互いを切磋琢磨するライヴァル関係としてこの良好な関係が続いていけばいいと
思う。
　その一方で北朝鮮だ。人工衛星なのか弾道ミサイルなのか分からぬまま北朝鮮
から発射されるロケットに日本政府は過剰なほどの反応を示している（もし落ち
たら、と心配するのは当然だが、たとえ落ちて来るにしても今の不況を上回るほ
どの大ニュースなのか、と思う。被害を被る人々の数が断然違う）。こちらはい
かにも不健全な関係で、早く悪循環を断ち切りたいと思う。
　しかし実際には、北朝鮮の存在は今の日本になくてはならないもののようだ。
・その脅威を全面的に報道することで、不況の問題から国民の目をそらさせたり、
政府批判を回避したりする政府側の目論見
・ＰＡＣ３のような最新軍事危機を国民の衆目に晒し、スポーツとは別の意味で
の国威高揚を促す。
・あるいは軍事支出の必要性を暗に国民に知らせ、軍需産業から経済復興をもく
ろむ。
　などなどの効果が期待される（いったんその善悪についての考察は留保する）。
　ＥＵで結束しつつあるヨーロッパとは異なり、東アジアは対立を続けることで
この不景気を乗り越えようとしている。善悪を問う前に、それは厳然とした事実
のようである。再び世界が好景気に戻るまでは、この傾向は変えられないのでは
ないだろうか。日本と北朝鮮の互いの好戦的な態度に、今再び亡命したい危機感
が個人的にある。