故・宮本警部献花

　廃業前銭湯巡りのため、１日あけて再び東上線沿線へ。そして今日の目的地は
まさにときわ台。一昨日は前を通り過ぎるだけで終わってしまった、今日こそは
宮本さんに花を手向けたい、と思いながら、退社後家とは反対方向に三田線と東
上線を乗継ぐ（新板橋／下板橋乗換）。ときわ台駅を降り、目的の銭湯に向うま
での道すがら、花屋を見つける。これはどうやら想いが通じたような気分（そも
そも花屋がなかなか見つからないし、見つかったところで２０時過ぎのこの時間
にやっていることが奇跡）、早速小さな花束を買い、今来た道を戻る。宮本警部
の石碑があるのはもちろん駅前交番の前。交番のおまわりさんにその旨を告げる
と丁寧な対応、その真摯なおまわりさんの対応にも熱いものがこみ上げてくる、
単に形式的ではない、宮本さんへの敬意に満ちあふれた態度に接して、心の琴線
を振るわせないわけにはいかない。
　石碑に手向けられた花の数は１０近くある、命日でもないのに常に地元の人た
ちが花を欠かさないのだろう。“街のおまわりさん”がかくも近隣の人々に愛さ
れているのを私は見たことがない。千葉からはなかなか遠くて来れない場所、だ
からこそこうしたたまに近くに来た時には必ず詣でなければ、と思う。多分僕は
生涯この近くに来ることがあれば必ずここへ来て祈りを捧げるのだろう。おまわ
りさんの凛とした敬礼にこちらも深々と頭を下げてその場を立ち去った。