日本沈没

　ミクシィのニュースに「１０年後にはなくなっているものランキング」と言う
のが出ていた。公衆電話だとか、ダイアル式電話だとか、日常用品のたわいない
ものが上がっていたが、私は思わず「日本」と答えそうになった。もちろん理由
は福田内閣退陣にピンと来てのこと。

　結論から言えば、（元々なかったのだが）日本の骨格のなさが露呈した事件に
思えた。普段日本は自分たちを欧米側の先進国の仲間だと思っている。しかし選
挙で選ばれたはずの自民党代議士による閣僚が次々と不祥事などで脱落してい
く。今の、と言うか次の内閣もそうだが、国民の信頼は地に落ちた感がある。ど
う言うことかと言えば、この国には本当の意味で民主主義が定着していない＝実
は先進国ではない、ということが露呈した現象のように思える。露骨に言ってし
まえば、この国はもう一度天皇統治の政治体制にすれば安定するのではないか，
と思っている（尊王攘夷ですねいわゆる）。
　この国は西洋になりきれなかったし、かと言ってオリエンタリズム的な東洋差
別根性も身に染み入ってしまっている。そう言うアンビヴァレンスな状況が今回
の閣僚崩壊の裏側に見て取れる。
　先ほど書いた南オセチア問題で欧米が独立反対を唱えるのは明らかにエネル
ギー資源政策優先で、人権問題なんてただの言い訳に過ぎないことが分かる。日
本は直接南オセチア問題の石油天然ガス利権と関係がない。ならば堂々と人権主
義に乗っ取った立場で独立賛成を唱えるべきだ。それができない、ということ
は、戦後６３年経っても独立してない＝プチアメリカ植民地状態から抜け出せて
いないと言うことで、これからの厳しい時代、そもそも日本が独立国家として
やっていけるかどうか、憂慮すべき問題は多いと思う。
　ちなみに、途中で政権を投げ出した福田さんを無責任だ、という声は多い。し
かし私からしたら首相の無責任大いに結構、である。無責任であるということ
は、独裁者から一番遠い資質の人間だったことの何よりの証左だからである。
「国民のために働きます」なんてことを言葉通りに受け取って投票するほど私は
お気楽ではない。本気の指導者なんてのは私からしたらヒトラー、ムッソリーニ
の始まりだと思っている。まぁ憂慮すべき問題は多いが、一方で実に平和な国家
でもある。