電車の中は転職広告であふれている

　ズバリ、今の通勤電車の車内吊り広告には、週刊誌の広告と転職案内の広告し
かないのではないか、と思う。もちろんビールとか不動産なんかの広告もないで
はないけど、少なくとも転職広告が突出して多いのが通勤電車だろう。
　私は会社を辞めたい、と思ったことは数えきれないほどあるが、転職したい、
と思ったことは殆どない。つまり、転職することで何かが変わる、なんてことは
全くと言っていいほど期待していない。しかしここで言いたいのは、そう言う私
の個人的考えの話ではない。転職広告が流行るのは、まさに私たち労働者の労働
力が、いともたやすく流通してしまう安っぽい商品になってしまったことの何よ
りの証左だと考えるからだ。
　ニート、フリーター全盛時代なわけだから、ウンウン頭をひねらなくても私た
ちの労働力が安く見積もられていることは明らかなわけだが、それでもさも年収
が上がるとか、キャリアアップが実現するだとか言った美辞麗句を並べて国民の
転職幻想を膨らませるのは危険きわまりないことだと思う。本当にキャリアアッ
プしていく人の話をイベントなどで拝聴すると、たいてい会社選びなどという次
元の低い話ではなく、自分の仕事が社会にどう貢献するかを考え、明確なビジョ
ンを持ち、それに向かって邁進する、と言う道を通るようだ。もちろん、そんな
立派な将来像を描ける人がそんなに沢山いるわけもなく、会社選びに終始してし
まうのが現実だろう。逆に言えば、そうやって自分の将来に右往左往する人たち
に手を差し伸べるフリをして、実は食い物にするのが彼ら転職業界の目的だ。も
ちろん中には成功する転職も多くあるだろうが、私はそんなことは問題にしな
い、人身売買みたいなことが大手を振ってまかり通ってること自体が私たちの人
権をないがしろにするに等しいことであり、そんな世の中に何も感じない人たち
が多いことをもまた問題にしたいのだ。そう言うことにも気づかないくらい鈍感
だから、社保庁に年金のために納めたお金をでたらめに使われたり、動けなく
なったお年寄りから税金を徴収するなどと言うことになるのだ。ずばり、日本人
はもっと警察や政府ともめるくらい、身体を張って意見を言ったりしないと何も
変わらないと思う。ネット右翼みたいに政府に媚びへつらって、嫌中なんかでガ
ス抜きしてごまかすなんて論外。