この人権主義は本物か？

　全世界で行なわれている聖火リレーで、チベット解放デモが続いている。これ
自体は素晴らしいことだ、全世界の人々が人権主義に目覚めてくれたのであれば
誠に喜ばしい。だがしかし、一方で“聖火リレー”と言う場を利用して、チベッ
ト問題だけが突出してクローズアップされていることに強い違和感を感じたりも
する。ダルフールやウガンダで起こっていることなど、他にも人権上の問題意識
を向けなければならない地域、紛争は沢山ある。私が危惧するのは、オリンピッ
クという世界を上げてのイベントにかこつけて盛り上がっているものの、それが
終わったら（と言うか、本当に始まるのかどうかもやや疑わしい気配ではある
が）とたんに熱から冷めたように収束してしまいそうな“一時的なお祭り騒ぎ”
の様な空虚さを感じるのは私だけだろうか。今盛り上がっている人権運動を、五
輪絡み、チベット問題のみの焦点に終わらせず、今後広がりのある運動へと発展
して行くことを強く望む。

＃正直言って、日本でチベット問題を人権運動としてちゃんと捕らえているのか
＃どうか疑わしい人々がいるように感じる。つまり、光市母子殺害事件では散々
＃人権派弁護士たちをこき下ろしておきながら、ここでは“反中”の正当化のた
＃めにチベットの人権問題を利用しているように感じられて少々不快感を感じて
＃いる。