４人の死刑を執行、鳩山法相の就任後４か月で１０人

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080410-OYT1T00239.htm

　今月の現代思想が「学校改革」と言うテーマで教育現場の問題を取り上げてい
るが、今日の教育格差は本当に狡猾だと思う。何と言うか、生徒だけでなく教師
までもが、直線的な物差しで測れるはずのない「学力」を点数化し、その数字の
中だけでもがき、内面化＝自己責任化して、制度の問題を個人の問題に巧妙にす
り替えてしまう。「落ちこぼれ」は学校の責任とはならず、生徒や先生（最近は
過度のストレスで休職してしまう先生も多いらしい）が自ら現場を去る、実に巧
妙な“弱者排除”の構図である。
　死刑の問題も基本的に同質だ。果たして、誰が「こいつはどうやっても更生の
しようがない」と判断できるのであろうか。と言うか、死刑制度によって、世間
から「更生を諦められた極悪人」と言うレッテル貼りの思想が刑務所の外へ漏れ
出し、教育現場や生活現場での格差という形になって私たちにも悪影響を及ぼし
ているのではないか。
　悪人を裁く、と言う行いとは別に、そうした裁きの思想の中から漏れ出すもの
が、今日の私たちのあらゆる場面での格差社会と通底しているような気がする。