自滅する中国

　ついこないだまで毒入りギョーザ問題が騒がしいと思っていたら、今度はチ
ベット問題。中国の評判が落ちる話題ばかりが世間を騒がす、それも日本だけで
なく全世界的にだ。ネット右翼的には「それ見ろ、やはり中国は野蛮国だ、オリ
ンピックなんか中止だ！」と気勢を上げているが、ここまでぼろが出るようでは
そこそこ親中派な私でさえ弁護することが出来ない。
　田中宇氏の「国際ニュース解説」メルマガでは、アメリカの（アメリカ独裁か
ら多極化に転じるための）自滅論をずっと続けているが、ひょっとすると中国も
自滅の道を歩んでいるのではないだろうか。もちろん、ソ連崩壊後も生き残った
しぶとい共産党独裁国家であり、半資本主義に転じて経済的にも強くなっている
から一朝一夕で潰れることはないだろうが、この流れが続くようだと、北京オリ
ンピック中止はおろか、第二のソ連にもなりかねないかもしれない。
　結局、アジアの大国というのは、日本にせよ中国にせよ、かろうじて旧帝国主
義時代の植民地にはならなかったものの、西洋というものに対してものすごいコ
ンプレックスを抱いていた。それがいまや、西洋の方が没落し（特に現在は激し
いドル安に寄るアメリカの没落が激しい）、コンプレックスを抱く相手が潰れて
しまったことで、目標を失ったような状態になっている、ということではないだ
ろうか。えっ、中国なんてまだまだ途上国だって？いやいや、西洋のように民主
主義革命や産業革命を経験したこともなければ、日本のような技術立国を経験し
たこともない、ただただ８億の漢民族および周辺の少数民族の“数”でここまで
成り上がったのは大したもの、そして、ここで息切れが始まった、と言う感じ
はする。つまり、地球上ではもう「成長」を謳歌出来る国家というのは何処にも
ないのだ、ということ。もしかするとインド辺りがもうひと頑張りするかも、あ
るいはイスラム圏が今後世界の中心になったりして。