社会主義への恐怖感？

　今や日本も２大政党制となり、左派系政党である社民党と共
産党は殆ど蚊帳の外に等しい状態になってしまった。思うに、
中韓の対日批判は靖国参拝と言う表層的な論点でもっぱら行わ
れているが、そもそも右派２大政党に支配権を奪われた政治全
体を本当は問題視しているのではないだろうか。
　いや、外圧の話に問題を摩り替えてはいけないな。先ずもっ
て私たち日本国民がこのような偏った政権による不利益と言う
ものをもっと意識し、再び右派と左派のバランスの取れた議会
に戻さなければならないはずだ。
　うちの両親などの姿勢を垣間見るに、いまだに日本人は社会
主義、共産主義を一種の恐怖政治のように思っているようであ
る。まぁ確かに崩壊前のソ連とか、いまだにおおっぴらに言論
弾圧が行われている中国なんかを見れば、ある程度は正しいの
かもしれない。だがこうした恐怖政治は共産主義に限ったこと
ではない、と言うか、これらはそもそも共産主義と言うより独
裁政治であろう。高尚なイデオロギーを振りかざすだけで、一
般庶民の生活向上にかかわる政策を十分に打ち出そうとしない
政治である。
　問題は、社会主義、共産主義がそうした独裁を許しやすい環
境にあるのではないか、と言う疑問だろう。もしかすると２０
世紀の社会主義は“思想の押し付け”があったのかもしれない。
言論弾圧、粛清と言った厳しすぎる社会環境は、社会主義を信
奉する政治家たちに傲慢があったと考えられる。
　２１世紀の今日、ラテンアメリカなどで次々と誕生している
左派政権を見るに、今日の社会主義はそう言った政治家たちの
驕りはなく、どちらかと言えばポピュリスト政権と言う立ち現
れ方をして民衆の支持を得ている。そこにはよい意味での民族
主義、すなわち独裁軍事政権のような暴力的な手段を捨て、民
衆の声、言論を武器に国内をまとめ、外圧に対抗していく、と
言うきわめてまっとうな民主政治が行われていると感じられる。
そうした政権に見られるよいところを取り入れ、日本の左派政
党が復活してくれることを切に願う。