ウヨクとサヨクの世界観の違い

　結局のところウヨクもサヨクも、今の社会に不満があって、
それを変えたい、と言う思いは同じ。なので、両者の共通点
（はもう書いたからいいだろう）と相違点を明らかにすること
は今後の議論で意味があるだろう。
　私が思う両者の大きな違いが何かと言えば、何を価値あるも
のとするか、と考えるかであろう。その何かであるが、ウヨク
は「力」を価値あるものと考えているのではないかと思う。そ
してサヨクは「平等」を価値あるものと考えているのではない
かと。「力」、と言うか、弱肉強食を肯定する価値観。頑張っ
た人が勝つ、と言うことを無条件に受け入れる考え方。神や天
皇を敬う、と言う行為もそれとは少し違うが根は同じであろう。
　一方、「平等」とは弱肉強食を否定する価値観。頑張らなか
った人にもお恵みを、と言う考え方。こう書くと甘えてるよう
に受け止める人もいるかと思うが、そもそも日本と言う国は地
震や台風など自然災害に苦しめられることの多い国だ。個人の
努力だけではいかんともしがたい場面に直面することで、人々
が助け合うと言う生活の術を生み出してきた。
　助け合いの価値観はもちろんウヨクにもある、場合によって
はウヨクの方が助け合いの精神は強いかもしれない。ただ、強
者の存在を前提としたウヨク的助け合いの精神は、強者が暴走
した時のことが怖い。サヨクはあくまでも私たち自身が主人公
として助け合って生きていく、と言う考え方を取る、そう言う
ことだと思う。人類の進化にウヨク的強いリーダーシップは必
要かもしれないが、サヨク的には、リーダー不在でなかなかま
とまりづらい中でも、ゆっくりと助け合っていく姿の方が望ま
しいと考える、基本はそう言うことではないかと思う。
　サヨクにはそう言う時間に対する忍耐がある程度必要だ。し
かし歴史を振返る限り、性急に結論を急ぎすぎて何度も失敗し
ている。私はミギかヒダリか、と言う対立以前に、人類の幸福
のためには先ず時間に対する忍耐が必要不可欠なものだ、と言
うことを言いたい。そしてそれが本来のサヨクの心構えではな
いかと思う。