目的を語る政治議論、手段を語る政治議論

　さて、都議選が始まり、エセ政見放送をやりたくなる季節到来wではある
が、その前に。
　なんかミギかヒダリか、と言う議論の前に、政治議論の言葉が響くのは、
目的を論じているか、手段を論じているか、の違いではないかと感じる。
　左翼というか中道というか、響く言葉はまず目的を論じていることが多い
と感じる。護憲派が語る言葉は憲法の「中身」、つまり憲法が言わんとする
目的を論じようとするし、一方改憲派は今のアジア情勢で非武装ではやって
いけない、つまり日本の危機に対しての「手段」としての憲法議論をしてい
る。
　目的をしっかり理解していないと議論がブレやすい。後者のように手段と
して議論をすると、そもそも危機って何？それこそ太平洋戦争の頃にも同じ
ように危機があったと思うが、歴史的には逆に日本が一方的に大陸に攻めて
行った結果しか残っておらず、もし開戦していなかったら、何事もなく平和
な昭和になっていたのではないか？という思いがある。
　歴史にもしもは禁物、と言われる一方、昨日の「時をかけるテレビ」で
ジョンレノンのイマジンの話をしていたように、未来に対しては、むしろ
人々の想像力こそが大事、ということ。改憲の話は未来の話をしているよう
で、実は目の前の危機への即物的な反応でしかないと思う。
　朝ドラがちょうど太平洋戦争の最中を描いていて、過去の話どころか、
改憲した後のことを「想像する」ヒントに満ち溢れている。危機という目前
の事象の前に、本当は何を守りたいのか、その議論(発言)を登場人物がして
いる。
　本当に憚れているのは政治的議論なのか？もっと根源的なこと、哲学的な
こと、つまり(生きる)目的を論じることを皆避けているのではないか？先週
のレインボープライドを冷笑する人とか、イスラエルのガザやイラン攻撃を
支持する人などに、その目的なり、哲学的議論を聞いてみたい。他者をぞん
ざいに扱うこと、それがもし自分に向かってきたらどうする？と想像するこ
と。時間はかかるかもしれないが、即物的な対応ではまたすぐ繰り返される。
とりあえずまず根源的な話が聞きたい。