国民という暴君に殺された安倍首相

　安倍首相が慶応大学病院で胃腸の不良が発見された。これ
によって、首相をあからさまに無責任だと非難はしずらいこ
とになる。
　どうも朝昇龍の件と言い、責任を全うすべき立場にいる人
物が精神的に追い詰められることが多くなっている気がする。
そう言う立場に立った人間の器が小さかった、というだけで
済む話なのだろうか？
　少なくとも言えることは、国民の声はどんな大物政治家を
も倒すほどの力を持っている、と言うこと。民主主義である
こと、国民主権であることを考えれば至極当り前のことだが、
なんだかこうなってくると国民の声なるものが恐ろしい恐竜
のような存在に思えてくる。
　個人的に強い不安を覚えるのは、国民の声と言うものが今
日、ものすごく横暴なものだということだ。民意が間違って
いるわけではない、民意が暴力的だと言っている。こうした
民意の暴走に、（以前に何度も書いたことだが）ワイマール
憲法を捨て、ナチズムに走った戦前のドイツのような不吉極
まりない空気を感じる。
　ちなみに、彼がやりかけの仕事について私は問うつもりは
ない、なぜなら私は最初から彼を首相として支持していない。
教育基本法を始め、防衛庁の省昇格など、私が反対してきた
改革ばかり押し進めてきたのであるから、やりかけの仕事も
どうぞ止めていただきたい、としか思っていないので全く問
題ない。