あまりに語学学習をサボっていた。久しぶりに図書館の落ち着いた場所で NHKロシア語講座のテキストを開いてみる。 2月号の購読はトルストイの子ども向け短編。いやもう、ロシアは数々の 戦争を表向きの言論では常に挙国一致のように扱って来た中、やはり文豪た ちはそれにあがなう物語をちゃんと書いている。 物語は革命か内戦か分からないが、捕虜を公開死刑にしようとするシーン。 こんな話が童話になること自体、ロシアヤバいのだが、それだけに物語終り の衝撃的な感動が心を揺さぶられた。公開処刑に群がる群衆をぬって、捕虜 の子どもが処刑寸前に父親に抱きつく。冷静さを失って興奮していた群衆は その光景に我に返り、処刑を思いとどまり、彼を解放する。 内戦も、侵略も、世界大戦も全て経験し、今なお新たな軍事行動に走る国 家に対して、平和を訴えることの難しさを嫌というほど思い知っているロシ ア文豪の圧倒的な説得力に目頭が熱くなるのを抑えられない。