それって本当に応援なの？

　前回書いた「応援は重荷」と言うのは極めて少数派だと承知の上で書かせてい
ただく。
　きっかけは医療従事者を応援するためにブルーインパルスが東京の空を飛んだ
と言う話。いやまあ、個人の善意でやるならともかく、いちおう自衛隊の飛行機
を飛ばすと言うことは国民の税金を使うことになる訳で、それはお金の使い方間
違ってるでしょ？と言うのが第一印象。
　さらに考えれば考えるほどおかしい。東京の空を飛行機が飛ばない(羽田空港を
往来する飛行機は基本的に東京湾側にわざわざ回り込んで離着陸する)のは、米軍
が領空権を持っていると言うのもあるが、それ以上に、飛行機が万が一部品を落
下させて事故を起こすことを防ぐためである。それをこんな「不要不急」の理由
で飛ばすなんて、やはり言語道断と言わざるを得ない。
　とにかく、応援と言うものにクールだから、冷静に考えると中にはおかしなも
のもたくさんあると思っている。代表的なのがオリンピック。東京に限らず、ナ
チスドイツの時代に(つまり100年前)スポーツが政治利用されてきた歴史があり、
あんなものがスポーツ選手の目標ってこと自体が僕には狂ってるとしか思えない。
　甲子園の高校野球も同じ。僕は真夏の炎天下で高校生に野球をやらせるなんて、
なんなのこの根性主義？と思っている。選手も観客も熱中症になる人は少なくな
い。もし高校生にやらせたければ、先ず大人のプロ野球が炎天下でデーゲームを
やりなさい、話はそれからだ、と思う。
　隅田川の花火大会も同じ。隅田川の空に炎が舞い上がるなんて、関東大震災に
伴う火災、そして東京大空襲と言う、歴史的な二大悲劇を連想させるのに、なぜ
「夏の風物詩」などと呼んでみんな喜ぶのか全く理解に苦しむ。
　かくして、「応援」と称して世の中にはおかしなことがたくさん行われている
のを、反対意見が多いのを承知で訴えたい。