希望を語ることがかえって良くない結果をもたらす

　ぶっちゃけ、多くの芸能人やスポーツ選手が「今は頑張りどき」、と言ってい
るが、人々の辛抱の努力には限界がある。と言うか、５月６日の非常事態宣言の
期限が来ても、解除はされない気配が濃厚だ。だいたい、１ヶ月程度の自粛程度
でパンデミックが収まる、と信じている人たちが多い(と言うか大半がそう思っ
ている)。で、期限が来たらやっぱり自粛は続く。その繰り返しが今後何度も続
くだろう。ある人は落胆の末に鬱になり、自殺に走るだろうし、血の気の多い人
たちは暴動を起こす。少なくとも、人々が自粛して静まり返った街には徐々に無
法者が増えている。間違いなく近いうちにそのうっぷんは爆発し、街は荒れる。
繁華街なら警察や機動隊も駆けつけようが、あちこちで同時多発的に発生して治
安崩壊が起こる。外出自粛ではなく、本当に出歩くこと自体が危険な状況が訪れ
る。食料品医薬品を積んだトラックは不公平感を抱いた一部の人間に襲われて、
流通そのものが急激に不安定化して食糧危機がやってくる。
　本来、非常事態宣言はもっと半年や１年と言った長い期間にするべきだった。
そして生活保証もガッツリ国民に還元すべきだった。短期間の目処を立てては延
長を繰り返し、落胆で疲弊した先にはディストピアしかない。長い期間を宣言し
て危機感を強く持たせるべきだったのに、落胆の繰り返しが秩序崩壊を招く。中
途半端な希望がじわじわと人を絶望に陥れ、治安崩壊も現実的になって行く。