再びパンデミック楽観論。このパンデミックにより、世界の南北格差がなくな ると期待される。発信元こそ中国だが、感染流行がひどいのは欧米諸国である。 つまり、先進国が敗北し、途上国が難を逃れている状況である。富めるものが滅 び、貧しき者たちが生き残る。そう考えれば、今回のパンデミックは世界を平等 にする大きなきっかけになる。 もちろん、今後途上国でも感染流行が広がる可能性はある。その場合、不衛生 と言うこともあり、先進国より医療崩壊がすぐにやって来ると考える専門家も多 い。しかし、医療が行き届かないのはこれまでの通常の病気でも同じこと。何よ り、途上国は人の往来が少ないし、人口に占める高齢者の割合も低く抑えられて いる(そもそも平均寿命が短い)。亡くなる人がいても、それ以上に新しい命が生 まれる、それが途上国。礼拝堂でクラスターが発生したイランの例を教訓にすれ ば、むしろ途上国の方が被害は少ない。こうして、世界の南北格差がこのパンデ ミックで解消される期待があるのである。