カラヤン曰く、「指揮者はオーケストラの邪魔になってはならない」。世界的 な指揮者が語る、リーダーの根本的な矛盾。リーダーと言うものは、部下に干渉 すればするほど、部下のパフォーマンスは落ちる。個人のパフォーマンスを殺さ ずに組織としての最大限のパフォーマンスを発揮させると言うのは、この矛盾を 乗り越えなければならない。大変難しい作業だ。 それが今日ではリーダー論とかマネジメント入門とか、小手先のスキルでリー ダーシップを語る人々がいかに多いか。その結果、会社組織はいつまで経っても 上意下達の非民主的なままであり、個人のパフォーマンスを殺すことでしか組織 のパフォーマンスを上げることができない。 先日書いたワンピースの組織論は、まさにそういう閉塞感を壊すためにも、サ ラリーマンにも必読の書物になっているのだと思う。リーダーシップは間違いな く、「技術」ではなく「哲学」に属するイッシューだ。