ボリス・エリツイン氏死去に伴い、冷戦後の国際情勢に想 いをいたすとき、勝ったはずの旧資本主義勢力があちこちで ジリ貧による偏狭なナショナリズムの傾向を示しているのに 対し、旧共産主義の中国とロシアは右往左往しながらも、め ざましい経済発展をとげ、これからの春を謳歌しようとして いるように見え、立場がいつの間にか逆転しているように見 える。 個人的には、この傾向、世界の“多様化”として評価した いと思う。が一方で、こうした旧共産圏の新興勢力にジリ貧 気味の旧先進国（日本やフランスやアメリカ）がテンパって ネオリベラルな方向に進んでいることも大いに危惧している。 妙なプライドで21世紀の理想的なポジションを理解せぬまま 暴走しないよう注視していく必要があるだろう。